やっとのことでNSRのカウル修理に着手しました。
もういつのことだっか忘れましたが、短い間に2回、NSRを左側に倒してしまいました。
乗車状態からの立ち転けではなく、降車して取り回しているときに支えきれない状態になって堪えながらも残念ながらの横倒し、という状況。
MC21って実は良く出来ていて、左側にゆっくり倒した場合はサイドスタンドの根元にある鉄プレートが支えとなり、タイヤが地面に着いているレベルであれば、ミラー、ハンドルバー、カウル、マフラーは無傷で済みます。要するに、サイドスタンドの根元の鉄プレートだけが傷つくだけ。
自宅駐車場で倒しちゃった2回目も左側だったのは良かったですが、運が悪いことに、コンクリートの輪止めの上にカウルが来たため、ガリガリ・・・と。
それでこんな傷がついてしまっていました。
割れていないのでパッと見、軽症なんですが、HONDAロゴ無く、純正デカールではないもののキレイに塗装されカッティングシートで補修されていたカウルに惨めな傷がついてしまい、一気にテンションダウンしていましたw
MC21の1990年に発売されたスタンダード仕様(SEやSPではない)のカウルデザインはシンプルな直線基調のものだったのが、1990年のSEからこのぐにゅぐにゅ模様になっており、この時期のホンダなどはこのような柄が好きだったみたいです。リリース情報によると、『躍動感溢れるブラッシュ(刷毛塗り)模様』と表記されているので、ブラッシュデザインとでも言うのでしょうか。
純正デカールは確か、白地のシートにこの模様が印刷されたもののはずで、アッパーカウルやシートカウルに貼られている純正デカールはそうなっています。僕のNSRのアンダーカウルは恐らく、転倒か何かで損傷して、下半分をホワイトで再塗装した上で、カッティングシートから切り出した赤デカールを貼ったのだと思います。ブラッシュ模様の曲線はきれいに、左右同じラインで切られているので、カッティングプロッターか何かで作成したのかもしれません。機械に投入する原稿データも無いし、設備もありませんので、アートナイフを使っての手作りです。
何年も悩んだ挙げ句、切文字ステッカーが得意な知り合いの方からいろいろアドバイスをもらい、まずやってみたのがこの型取り。石刷り、っていう方法だそうです。トレーシングペーパーである必要まではありませんが、薄手の紙を乗せ、段差のあるところを鉛筆でサササッと撫でて、境界線を浮き上がらせる手法です。型取りが出来たら、次の工程はカッティングシートへの転写ですが、ボールペンなど先の尖ったもので線をなぞり、カッティングシートに形をつける方法がネットで紹介されていました。ただ、この方法ですとカッターでの切り抜き作業はほぼフリーハンドとなりますので、おそらくキレイな線が再現できない気がしていました。
並行してNSRの赤色に近似のカッティングシートの手配です。
ネット通販で屋外用カッティングシートの赤を物色しましたが、大雑把に「赤」「レッド」と表記されたものが多いです。実際、これでイケるかな、と買ってみた赤が見事に少し明るい色で大失敗。返品したものの大損となりました。懲りずにまた通販で物色し、赤は赤でも3種類の赤を明記していたお店を発見。ワイン、チリペッパー、レッド、の3色で、ワインはそれこそ赤ワインのあの色でかなり濃く、チリペッパーは赤より少しだけ暗い赤。これは!?、と思って取り寄せてみると、見事にほぼ同じ色でした。
いい色のカッティングシートは手に入った。あとは切り抜き。さてどうするか。
ナイフを動かす時にガイドになるものがあると曲線もキレイに切れるんだけどなぁ。カウルに貼ってあるシートを剥がしても伸びたり破れたりして使い物にならないでしょうが、何とかして型を取れないかなと。
そこでやってみたのがこれ。デカールの上にマスキングテープを貼り、デカールの縁の段差を利用してナイフで切ります。これ、幅が広いマスキングテープを使うべきですが、細いのしか無かったので仕方なく。マスキングテープの重ね貼りは剥がれやすいので剥がすとき注意です。バラバラになったら終わりです(笑)慎重に剥がしたマスキングテープをカッティングシートに貼ります。トレーシングペーパーで写した形と合わせてみてもピッタリ合ってますので大丈夫そうです。あとはアートナイフで切り抜き。マスキングテープの縁にそっとナイフの刃を添わせながら、ゆっくり慎重に切っていきます。マスキングテープのガイドがある分、気持ち的にも安心しますし、テープの縁に軽く当てながら動かしていくことでけっこうスムーズに切っていけました。次はカウルの塗装ですが、その前に修行のような下地作りです(苦笑)