マニュアル・トランスミッション(MT)
普通自動車免許を取りたてのころは車へのコダワリはなかったので、「ATの方が楽でいいか」ぐらいに思っていた。
ところが、最初に買った中古車がMTだったことや、もともと、バイクや、モータースポーツの世界などが好きだったことから、車の操作を機械任せにしないMT車がすっかり好きになってしまった。
その後、世界ラリー選手権(WRC)の舞台で活躍しているインプレッサやランサーエボリューションに惹かれるようになり、ますますMT熱は加熱、ATにはほとんど興味を持てなくなっていた。
しかし・・・
ここ数年でATに新技術が登場している。
DCT:Dual Clutch Transmissionというものがそうだ。
「2ペダルMT」と呼ばれるが、クラッチ操作が自動で、通常のATと同じオートシフトモードがあり、マニュアルシフトもレバーやパドルなどで電気的に行うこと、その他、さまざまなコンピュータ制御を組み込んだハイテク装置のため、ATの一種と分類したい。
実例としては、AudiのSトロニック、VolkswagenのDSG、三菱自動車のツインクラッチSST、そして日産GT-Rに搭載されているGR6型デュアルクラッチトランスミッションがあり、主にスポーツモデルに搭載されている。
奇数ギヤと偶数ギヤの2組に分けて、それぞれにクラッチを装備、ギヤチェンジの際には双方のクラッチのON/OFFを切り替える動作をするため、ギヤチェンジが非常に高速に出来るし、トルクコンバータATのような滑りも皆無だ。
しかも、DCTの制御プログラムによっては、ヒール&トーなどの技を駆使して行っていたシフトダウン手順や回転あわせなども、高速で、かつ、ロスなく機械が自律でやってしまうところがスゴイ。
一度、じっくりDCT搭載の車に乗ってみたいが、試乗程度では良さも悪さもたぶん感じられないだろうな。
ランエボやGT-Rにまでハイテクトランスミッションが搭載されるようになって、ますますMTが絶滅危惧種になってしまったが、個人的には、やっぱりMTが好き。
ロスがないから燃費がいい、とかいう、いつの時代の話かわからん、ATに対する負け惜しみのセリフなんて全く必要ない。
エンジンのパワーがダイレクトにタイヤに伝わる感覚が好きだ。
加減速のたびにリズムよくギヤチェンジする感覚が好きだ。
車を自分の意思で操っている感覚が好きだ。(実際はコンピュータ制御てんこ盛りだが・・・)
もはや、合理的な理屈などなく、タダの感覚論。
普通の人からは変わり者呼ばわりされるかもしれないけど、どうでもよい。
MTのクルマに乗れる今は、MTのクルマを存分に楽しみたい。
ただ、スポーツカーではなく荷物が沢山載る車が好き。
そう言う車へDCTとかの技術が適用されるのはずいぶん先なんだろうな。
次の車は嫁さんの希望に沿ってATになりそうな僕です。